身代わり王女に花嫁教育、始めます!
サクルはドゥルジ背後に立ち、その背中にシャムシールを突き刺している。
『く……ふ、ふ、ふ……無駄だ、狂王。命を持たぬ我らを殺すことはできん。残念だったな、サク……ぐううぅ……』
ドゥルジの口から黒い煙が吐き出された。
眼球は全体が真っ赤になり、肌も赤黒く変色しはじめている。言葉も発せられないくらい、ドゥルジは苦しみはじめた。
「残念だったな。悪魔とて体液はある。どこまで耐えられるか……地獄の業火とどちらが楽か、とくと味わえ――」
『ラジャブ、シャアバーン、ラマダーン、シャッワール、ズ・ル=カァダ、ズ・ル=ヒッジャ!』
サクルが呪文を唱え終えたとき、ドゥルジの体は燃え尽きた炭のようになり、シャムシールを抜くとサラサラと黒い砂のように零れていった。
地平線の向こうにゆっくりと太陽が沈む。
サクルは静かに振り返り、
「敵は残らず倒した。名前を呼んでもよいぞ……シーリーン」
「サクルさまっ!」
リーンは最愛の男性の胸に飛び込んだ。
『く……ふ、ふ、ふ……無駄だ、狂王。命を持たぬ我らを殺すことはできん。残念だったな、サク……ぐううぅ……』
ドゥルジの口から黒い煙が吐き出された。
眼球は全体が真っ赤になり、肌も赤黒く変色しはじめている。言葉も発せられないくらい、ドゥルジは苦しみはじめた。
「残念だったな。悪魔とて体液はある。どこまで耐えられるか……地獄の業火とどちらが楽か、とくと味わえ――」
『ラジャブ、シャアバーン、ラマダーン、シャッワール、ズ・ル=カァダ、ズ・ル=ヒッジャ!』
サクルが呪文を唱え終えたとき、ドゥルジの体は燃え尽きた炭のようになり、シャムシールを抜くとサラサラと黒い砂のように零れていった。
地平線の向こうにゆっくりと太陽が沈む。
サクルは静かに振り返り、
「敵は残らず倒した。名前を呼んでもよいぞ……シーリーン」
「サクルさまっ!」
リーンは最愛の男性の胸に飛び込んだ。