身代わり王女に花嫁教育、始めます!
それは長い胴体を持つヘビのような体をしていた。

馬すら飲み込みかねない大きさだ。


どうやら、水使いをひと飲みにして涸れ谷に連れ帰るつもりらしい。


カリムは襲い来る巨大なヘビをシャムシールで一閃した。


「水が欲しいか? ならばくれてやろう」


顔の部分をふたつに斬られ、悶え苦しむヘビに向かって、オアシスの水が襲いかかった。

砂嵐を巻き起こした風が水を吸い上げ、さっきと同じようにヘビを内側に閉じ込める。


ヘビは水圧に体を潰され、二度と魔物として利用されることがないよう、粉々に砕かれたのだった。


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