身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「ああ、まさか王女様がこんなことをなさるなんて! この結婚には、バスィール公国の存亡がかかっておりますのに」
「でも、レイラー様は十六歳ですし……気の毒といえば気の毒のような」
「だったら仕方がないではありませんの。リーン、あなたは王女様より年上なのだから、分別はありますわね」
「えっ!? でも……そんな」
「そんなも何もないのです。王女様が逃げたと知れたら、砂漠の狂王はすぐさまバスィールに攻め込むでしょう。その前に、わたくしたちは打ち首……いいえ、辱められてハーレムで奴隷のように扱われるに違いありません!」
ホマーは興奮してしだいに声が大きくなる。リーンは懸命に彼女を宥めた。
リーン――正しくはシーリーンと言う。
王女より一歳年上で、三年前に亡くなった母が宮殿の侍女だった関係から、リーンも子供のころから宮殿に出入りしていた。
やがて、リーンは歳の近い王女の遊び相手となり、ちょうど一年前、王女付きの侍女として勤め始めたばかりだった。
「でも、レイラー様は十六歳ですし……気の毒といえば気の毒のような」
「だったら仕方がないではありませんの。リーン、あなたは王女様より年上なのだから、分別はありますわね」
「えっ!? でも……そんな」
「そんなも何もないのです。王女様が逃げたと知れたら、砂漠の狂王はすぐさまバスィールに攻め込むでしょう。その前に、わたくしたちは打ち首……いいえ、辱められてハーレムで奴隷のように扱われるに違いありません!」
ホマーは興奮してしだいに声が大きくなる。リーンは懸命に彼女を宥めた。
リーン――正しくはシーリーンと言う。
王女より一歳年上で、三年前に亡くなった母が宮殿の侍女だった関係から、リーンも子供のころから宮殿に出入りしていた。
やがて、リーンは歳の近い王女の遊び相手となり、ちょうど一年前、王女付きの侍女として勤め始めたばかりだった。