身代わり王女に花嫁教育、始めます!
金色の瞳にリーンが映っている。恐ろしさより、尋常ならざる熱情を感じ、彼女の鼓動はしだいに速くなっていく。


「クアルンで王の決断は絶対だ。“いいえ(ラー)”という返事はない。あなたが口にすべき言葉は“はい(ナアム)”だ」

「……」

「さあ、答えを聞かせてもらおう」

「……“はい”」


カリムは満足したように笑みを浮かべ、リーンの腕を放した。


「でも……でも、大勢の人に会うのは。それに、多くの男性と……昨夜の儀式と同じようなことを繰り返すのは」


カリムの怒りを買わないよう、王のことは口にしなかった。


「そのような心配は無用だ。あなたの教育係はこの私ひとりなのだから」


当然のように答えたカリムを、リーンは呆然と見上げたのである。


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