身代わり王女に花嫁教育、始めます!
だがすぐに、王女らしくなかったかも、と思い声のトーンを下げる。


「砂漠の覇者と呼ばれる国王陛下ですもの、いっそ国の掟のほうを変えられたらいかがでしょうか? そして陛下のお気に召す女性を王妃にされたほうが」


王女らしく答えたつもりであった。


しかし、リーンの反論はカリムを怒らせてしまったようだ。彼は黄金の瞳に苛立たしさを映しながら、勢いをつけて立ち上がった。そのまま歩み寄ると、強い力で彼女の腕を掴む。


「あ、あの、何を……」

「それはこちらの台詞だ。あなたは我が国の王に意見したのだぞ。しかも、王の判断が間違っていると言ったのだ。ただで済むとは思うまいな」

「そんなつもりは……ただ、陛下がすでに妃にしたいと思われる女性がいるなら、と」


カリムの指が、リーンの細い二の腕に食い込む。


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