Loose-leaf*放課後の甘いキス




―――――ドンッ






「――ひゃっ!!」





バサバサッと大きな音をたて、目の前を落ちてゆくファイル

ふいに大きな衝撃がかかったと思えば、視界の先は薄汚れた天井で




「…っ」




腰を右手でさすりながら、ゆっくりと頭を上げる

突然の出来事に、私の思考は回らなくて

しばらく立ち上がれないでいると



「大丈夫?」



声の方に視線を移したら、思わず目を見開いた



「えっ…え、えぇ……!」



そんな変な声をあげてしまうくらい、私の頭はいっぱいいっぱいで




すっと手を差し出されたかと思えば

私の手を優しくつかんで、そっと持ち上げた





廊下に散らばったファイルさえも、私の目には映らずに

目の前いるあの人に、私の視線は釘付け






わ…私がぶつかった人って……


もしかして、もしかしてだけれど





夏川くん、だったの――――?








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