Loose-leaf*放課後の甘いキス
「葉月って、華舞踊やんの?」
「…え?」
「ほら、実行委員が毎年やるやつ!」
そういって笑うと、ファイルの表紙を私に見せた
そこにかいてあったのは
もちろん、「華舞踊」の文字で
「え…っと……」
せっかく話しかけてくれたのに
顔を上げることさえ、できなくて
私なんかには…到底向いていない係り
毎年、チアリーダーとは別に「華舞踊」というパフォーマンスがある
私は2年間見て来たけれど
一昨年も、去年も…どっちも綺麗で素敵だった
私のような人が…いちゃ、いけないのに……
「…葉月?」
「……っ!」
ハッとして目を開くと、ふいに夏川くんと目が合った
「ご、ごめんなさ…―――
「葉月なら、似合いそう!」
「……え?」
に、似合う……;;?
どういう…――――
「華舞踊、でしょ?」
とくん、と大きく心臓の音が鳴る
それが始まりだったかのように、何度も、何度も心臓が大きく跳ねる
――…夏川くんに、聞こえてしまいそうなくらい
「俺、見てるからさ!」
夏川くんの笑顔は
まるで、夏蜜柑のように甘酸っぱくって
また、きゅんっと私の心臓を奪う