Loose-leaf*放課後の甘いキス
「はい!」
「…へ?」
いきなり渡された、白いプリント
「……、はなし聞いてた〜?
「えっ…あ、…っ」
そういえば…、ぼーっとしてた、かも…
少し呆れながら苦笑する彼。
「花舞踊のスケジュール!ちゃんとよんどけよ」
しっかりそうに見えて、意外とぬけてるんだな
くすくすと、小さく笑いながらそう注意するのは
隣のクラスの、相沢くん。
少し茶髪がかった髪に、目鼻立ちもはっきりしている彼は
見るからに、モテるオーラ全開
「…………てゆーの?」
「…っえ?」
「名前!」
ぼーっとプリントを眺めていたら、相沢くんの声なんて届かなくて
突然肩に触れられた手に、びくっとなる。
「葉月夢愛…、です…」
「へ〜!じゃあ…葉月ちゃんだ!」
明るく笑う、相沢君を見ると
人気があるのも、わかる気がする
その後、苦手意識を持っていたはずの相沢くんだけど
明るく接してくれるその態度は、私の心をするすると、ときほどくように。
わたしのこころを、ふんわりと柔らかなベールで、つつみこんだ。