Loose-leaf*放課後の甘いキス


「ワンツッ、ワンツッ!はい、ジャンプっ!!」

ペアくじの盛り上がりも落ち着き、リーダーの始めるよ!!の、一声で、また練習がはじまった。


とにかく、相沢くんに迷惑かけないようにって
いつも以上に、集中するけれど…


「…っひゃ」

どうしても、最後のジャンプができなくて…


「大丈夫?」

その言葉をかけられるのも、何回目?と思うほどで…

「…、」

わたしが、黙ったまま俯いていると。


「俺、喉乾いたぁ」


ジュース買ってくる!


そう言って、去って行った。


相沢くんが、いなくなったことによって、ほどける緊張。
一人になったことによって、安心感がきたのだろうか
予想以上に、体が疲れていることに気がついた。

相沢くん…、もしかして、わたしが辛いのを知ってて…

水分補給の休憩も、つい五分前にしたばかり。
しかも、彼は、「マイボトル〜!!」と言って、ともだちに自慢してたもん。

わざわざ遠くにある自販機まで、ジュースを買いに行く必要なんて…、ないのに……


さりげない優しさが、みんなを惹きつけるんだろうなぁ…

私も、夏川くんのそういうところに惹かれた。
それだけじゃない、ってわかってるけど、
彼の優しさに惹かれたのは事実で。


あの人とは、正反対だよ…


わたしの視界に嫌でも映るのは

背が高くて、気が強くて…


イジワルな、どこかの国のオウサマみたいな人とは…
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