恋愛、友情。ときどき涙。


「ねぇ……綾乃」

「……ん……?」

「本当に好きな人のことはね、そう簡単には忘れられないと思うの。
今まで好きだった人を嫌いになんてなれないでしょ?」


私はゆっくりと頷いた。


「綾乃が自分じゃなくて音羽を応援するって言うなら、あたしは何にも言わない。
それが綾乃の決めたことなら。
……でも、湊先輩のことは無理に忘れなくていいと思う。
忘れようとすればするほどまた辛くなっちゃうから。
……だから、また新しい恋が見つかるまでその気持ちを大事にしなさい」


アサちゃん……。


「アサちゃんっ……」

「よしよし」


アサちゃんは私を優しく抱き締めて慰めてくれた。

本当にアサちゃんはお姉ちゃんみたい……。

私は気が済むまで泣いた。

アサちゃんは私が泣き止むまでずっと……そばにいてくれた。


< 105 / 220 >

この作品をシェア

pagetop