†蝶鬼鈴†


「は?だって髪短いし!」


藤堂さんが慌てて喋りだす。


「かぁつらです…」


私はそう言いながら、かつらをはずす。

長い髪が、するりと流れ落ちた。


「なっ……。男の着物着てるし!」

「昔からです。刀振る時、女物の着物じゃ邪魔で。」

「お、女子にこのような傷をつけてしまったとは……!」

近藤さんが頭を抱え、崩れるように座り込んだ。



「い、今すぐ手当てだ!立花君、頼めるか?」

「私が…ですか?」

「ああ。君は医学の心得があるだろう?」


「わ、わかりました。」


女の子に連れられ、その部屋を出た。




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