†蝶鬼鈴†

……………さすがに、部屋に入るのはまずいよね。

もしこの中に宿の人がいるなら、仕事が終わり次第出てくるはず。

いなかった時は……、その時はその時だよ、うん。

私は中の様子を伺うため、襖に歩み寄った。


中から、話し声が聞こえる。


「……だろう。……から、……?」

「けどだな……で、今……。」

「うむ。…では、……か?」


………何かを話し合ってるみたい。

宿らしき人の声は……わからない。

けど、とても重要なことを話し合ってるみたい。

……聞かないほうがいいよね。


私は音をたてないように、ゆっくりと体の向きを変えた。

そして、一歩踏み出そうとした、その時。



「ほう。では……に火を放ち………を暗殺と。」

「暗殺!?」



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