†蝶鬼鈴†


はっ、と口に手を当てるが、もう遅い。





「何奴ッ!?」


まずいっ、、

一気に襖が開かれ、次の瞬間にはたくさんの人たちが私を囲んでいた。

皆、刀を抜き構えている。

怖すぎるっ…。

「ぁ…。」


声にもならない声がでる。

怖い。逃げたい。

けど、それは叶わない。

四方八方に、私に刀を向ける人がいるのだ。




私、死ぬの……かな。
そう思った。




「おまえ、何処の者だ?」


私の目の前にいる人が、そう私に問う。

“何所の者”。

私は、何処の者なのだろう。


「ちっ、話を聞かれたか。こいつからは話を聞く必要がありそうだな。
 おい、外を見て来い。この坊主の仲間がいたら面倒だ。」


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