太陽の竜と闇の青年
ルウはすっぽりと俺の腕の中に入り込む。


ほっせぇ体……。


少しでも力を入れればすぐに折れてしまいそうだった。


ドクター・マランが言っていたことは正しかった。


こんな小さくて細い体にすべてを乗せれば、ルウはいつか潰れてしまう。


だけど、それをさせないために俺がいる。


俺が少しでもルウのその荷物を退ける役目になる。


ルウが嗚咽を漏らした。


「壱……、私……」


詰まりながらも話すその姿はすごく幼く見えた。


俺は少しだけ抱く腕に力をいれて、ルウの頭をそっとゆっくり撫でた。


サラサラと俺の指の間を白銀の髪がすり抜ける。


「うん」


俺がその先をうながすと、ルウが俺の服を強く握った。


「今の幸せな時間に酔っていたのかもしれない……」


今の幸せな時間……。


フウがいてクラウドがいて皆がいる。


何よりも俺の愛しい人がいる。


俺もそんな時間に酔っていた。


自分は人を殺しすぎたというのに……。


「俺も、そうなのかもしれない」


俺がそう言うと、ルウは俺の服に顔をいっそう埋めた。


「壱…………」


か弱い声で俺を呼ぶ。


俺はルウの体をよりいっそう引きつけた。


「……ん?」
< 309 / 824 >

この作品をシェア

pagetop