太陽の竜と闇の青年
ルウは、ふっと息をはいた。
「怖いよ…………。死ぬのが、怖い……。まだやりたいことがたくさんある……まだ、皆と一緒にいたいよ……。でもどうしたらいいのかわからない……。嫌だよ…………。まだ死にたくない……」
泣いているから、途切れ途切れになっていたが、ルウがどれほど不安になっているのかはよくわかった。
「うん……」
だけど、俺にはどうすることもできないんだ。
俺は神の民だけれど、殺気しか使えない。
そんなもの役に立たない。
「……また、いつ死ぬかもわからない人生を歩むの?そんなの嫌だ……。ずっとずっと、今までみたいに楽しく生きたいよ……」
「……うん」
それから俺はルウの言葉にうなずいているだけだった。
今、ルウは泣き疲れたのか俺の腕の中で眠っている。
頬には涙の跡と刺青がある。
俺はしばらくその場を動かなかった。
なぜか動きたくなかったんだ。
顔をあげると三日月があった。
「おまえは気楽だな。そうやって光っているだけでいいんだからよ……」
俺はポツリとつぶやいた。
すると、ルウがもぞもぞと身じろぎした。
その様子が幼くて自然と笑みが浮かんだ。
「わりぃ。起こすつもりはないんだ」
ルウは小さな寝息を漏らした。
俺はルウの頭をまた撫でた。
サラサラと一度も絡むことなくルウの髪は俺の指をすり抜けていく。
月光でルウの白銀の髪が光っている。
それは綺麗でどこか儚く思えた。
「大丈夫。俺がお前を守るから」
俺がルウの耳元でそういうと、ルウは小さく笑った。