太陽の竜と闇の青年
部屋に入った瞬間、俺たちは不思議な違和感を覚えた。


だけど部屋にはルウしかいない。


ならばこの違和感は何なんだ……?


皆も不思議に思ったのか、周りを見渡している。


「どうしたの?」


この違和感に気づいていないクラウドが俺に声をかけてきた。


サクラも首を傾げていた。


「いや、先ほどまでここに人がいた感じがするんだ」


俺が首を傾げると、白虎の喉がぐるぅぅと、低く唸った。


「そなたも気づいたか。この気配、ただ者ではないぞ」


さすがに、相手がどれほど強いのかは分からないが、白虎がいうのなら、かなり危険な相手なんだろうか。


「とりあえず、今は姫様のことを気にしましょう!」


サクラが俺を押し退けてルウに近づいた。


俺たちも慌てて近づく。


一目見た瞬間、俺たちは凍り付いた。


「まさか、本当に昼でも見れるのか……。これは俺も初めてのことだぞ……」


白虎が愕然とした声を出した。


その時、ルウの眉がしかめられる。


「起きているのですね……。では、姫様。直球に言いますが、姫様の刺青、今までは昼でも見れなかったものが、昼見れるようになっているのです」


ルウの眉が跳ね上がった。


ラカ、直球に言い過ぎだろ……。


さすがのフウも唖然としていた。


「姫様。あなたは今、何をしているのですか……?」


サクラがわなわなとその場に座り込んだ。


サクラはルウが起きないことにかなりの不安を覚えているのだろう。


本当に怖いのだろう。


白虎ががぅ、と喉をならしルウに言った。



「我が主。あなたは五日も眠っております。さすがの我らも不安になるのですよ」


いつもクールな白虎だが、さすがに主の体の異変には些か不安を覚えるのだろう。


その声はいつもと違うか細さがあった。


ルウをみると寂しそうな顔をしていた。


自分も怖いのだろうか……?


「ルウ、そろそろ起きてよ……」


クラウドがルウの手を握った。


だけど、その手はピクリとも動かない。
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