太陽の竜と闇の青年
「だけど、ルウお嬢様は笑ったり困ったり、怒ったりなどの表情はできるんだから意識はあると思うよ。だけど体は動かない。本人も自分の体がおかしいことは自覚してるんじゃないのかい?それか、ルウお嬢様は今が5日目だって知らずにまだ倒れて1日しかたっていないと思っているか、もしくは無意識のうちに顔が動いているのか。どれかだね」


シャンリンが口を開いた。


最近ではフウにもこのような口調で、ルウにだけ丁寧にしゃべっている。


この前フウが「ルウ大好き女将」とこっそり言っていた時は少し笑ってしまった。


すると、クラウドが身を乗り出してシャンリンに聞いた。


「じゃぁ、ルウは今が倒れて5日目って知らないの?」


シャンリンは鼻をならした。


「あたいはルウお嬢様じゃないからそんなこと分からないよ。さっきの話はあくまでも仮定の話。本当にそうかどうかはルウお嬢様に聞いてみないとわかんないに決まってるじゃないか。それぐらいわかりな」


クラウドは少しだけシュンッとなった。


そして、ポツリとつぶやいた。


「ルウがいないとつまらないよ……」


それは皆同じ気持ちだったのか、一瞬で部屋にじっとりとした空気が流れた。


と、その瞬間バタバタと大きな足音が聞こえ、会議室の扉が大きな音をたてて開かれた。


「大変ですぞ!!」


「大変ですよ!!」


入ってきたのは朱雀と白虎だった。


二人は急いで会議室の机の中心に行って同時に話始めた。


だから、


「ル主ねしまもたみえるよしなもす9しかすたいくすしせいがあかくるです!!!」


と聞こえた。


俺たちは眉をひそめた。


朱雀と玄武はゼェーゼェー言っている。


「玄武、朱雀。同時に言われては何を言っているのか分かりません。二人別々に言ってください。まず朱雀から」


白虎が冷静に事を伝えた。


やっぱり白虎は俺たちには必要な人材だ。


朱雀は大変な形相で言った。


「ルウが熱をだしました!!しかも39度3分と熱が高いのです!!早く薬を飲ませたいのですが、薬が無いので困っているんです!」


俺たちはガタンッと同時に立ち上がった。


39度3分は人並みの熱ではない。


下手すれば死んでしまう可能性がある。


しかも薬がないとなればより一層急がなければいけない。


しかし、白虎は一人だけ冷静に玄武に言った。


「玄武は何ですか?」


玄武は胸をおさえながら俺たちをみた。


そして、重々しく口を開けた。


「主の刺青が昼でも見えるようになっています。しかも、太陽の刺青の色が赤色へと変わっているんです」


刺青とでて白虎の耳がピンッとたてられた。


それから、低い声で俺たちに言った。


「急ごう。間に合うようにせねば」


俺たちはうなずいて会議室からでた。
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