太陽の竜と闇の青年
[壱]


「ルウが表情を変えたって本当!?」


フウが俺の話を聞いて血相を変えた。


「あぁ。本当だ。眉が動くようになった」


そう答えると、フウはよかったぁ~、と言って椅子にうなだれた。


「白虎殿。眉が動いたってことは起きあがるのはもう少しってことか?」


故がピョンッと椅子で飛び上がって白虎に聞いた。


白虎はいつものように部屋の端で動物の姿で堂々と座っている。


「それは分からないだろう。以前のようにまたピタリと動きを止めるかもしれない。だが、もしかしたらあと少しで起きあがるかもしれない。それか、あと何ヶ月は起きあがらないか、だ」


それを聞いた故はそうだよなぁ~、と言って座りなおしてぐだぁ~、と机に顔を乗せた。


「とりあえず眉が動いたってだけで安心しました。私たちの声は聞こえているということですよね」


ラカが真剣な面もちで俺をみたから、俺も真剣な面もちでラカをみた。


「あぁ。だが、今は少し苦しそうな顔をしているんだ。心配になったから朱雀に熱を計ってもらったが、熱はないんだ。だが、一つだけ分かることがある。アイツは今、何かと戦っている」


皆が顔をあげた。


「戦っている……ですか?」


サクラさんが俺に聞き返してきた。


深くうなずく。


「あぁ。だから俺たちも戦うんだ。ルウが目覚めたときにもっと強い自分たちになっているように」


皆、俺の言葉に深くうなずいた。
< 325 / 824 >

この作品をシェア

pagetop