太陽の竜と闇の青年
[壱]


「ルウ?」


ルウの顔から苦しみがなくなった。


だから呼びかけてみた。


するとルウが笑った。


「口が……動いた……?」


隣にいたフウが驚いた顔をした。


「ルウ、頑張ってるんだね」


フウが楽しそうに笑うと、ルウも楽しそうに笑う。


「よかったぁ……」


フウは大きなため息をついた。


「ルウ。今日僕は故と一緒に買い物に行くんだ。あははは。僕だって故なんかと行くのは嫌だよ。だけどあいつに新しい剣を買ってやらないといけないんだ。ん?あぁ。あいつの剣、僕が壊しちゃったからさぁ」


ルウが口を開けた。


パクパクと動くだけで何を言っているのかが分からない。


「ん?あぁ。お金ね。大丈夫、大丈夫。僕ここで働いててさぁ、お小遣いもらってるんだよね」


口の動きで何を言っているのか分かったのか、フウは楽しそうにルウに話しかけた。


すると、外から


「フウ殿!!早く行くぞ!!」


という故の声がした。


「分かったよ。ってことだから。ルウ、じゃぁね」


フウが俺の横を通り過ぎるとき、


「報告は僕がしておくからルウの側にいてあげてよ」


と、言った。


俺は小さくうなずいた。


ルウの眉が動いてから1ヶ月。


ルウが倒れてから2ヶ月が経った。


俺たちもルウが知っている面もちではなくなってきた。


俺は髪が伸びたし、フウも髪が伸びた。


フウにも顔にうっすらと刺青が出てきた。


そして、クラウドも故も白虎も成長期を迎えたのか、どんどん身長が伸びていた。


特に伸びているのは白虎で、毎日、


「骨が痛い」


と、成長痛に悩んでいた。


そのことを話すとルウは楽しそうに笑った。


「ルウ、お前は笑顔がいいな」


俺がそうルウにいうとルウは驚いた顔をして困ったような、うれしそうな不思議な面もちになった。


「今日はたくさん話そうか」


俺はそう言ってルウの頭をそっと撫でた。
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