太陽の竜と闇の青年
[壱]


「ねぇ?サラ兄上」


兄上、と聞いて俺たちは驚愕を隠せなかった。


フウが第一王子ではなく、第三王子だったから兄がいることはわかっていた。


でも、シャーマンキングが兄だとは思えなかった。


というか、仮にも一国の王子が国をつぶすような真似をしていてもいいのか、という疑問に基づいた。


「兄上!なぜこんなことをしているのですか!?」


ルウがサラにすがりついた。


整った顔に長い黒髪をしたサラはニッコリと笑ってルウの髪をなでた。


「昔から変わらず人のことを考えることに一途だなぁ。俺はそんな優しい姉弟をもって光栄に思うよ。でもね、それでも俺の心は癒せないんだよ……。ほら、みてみてよ。あの絶望的な庶民の目。とってもとってもいい目だと思わないかい?」


その瞬間、ルウの体が大きな手に捕まれた。


「ルウ!!!!!!!!!!」


フウが驚いた顔でルウの名前を呼んだ。


そして……。


「チェンヂ………………」


マランがチッと舌打ちをしてルウをつかんだシャーマン、チェンヂをにらんだ。


「サラ兄上!ルウをチェンヂに捕まえてさせて何がしたいのですか!」


フウがキッとサラを睨んだとき、チェンヂがうめいた。
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