太陽の竜と闇の青年
[壱]


町がよければ城もよし、というのは本当のことだったんだな……。


俺はその言葉を飲み込んだ。


城は風国の一番高い場所に堂々と建てられていた。


しかし、さして大きくもなく小さくもなかった。


なにより驚いたのは庭園だ。


「なんて美しい庭園なんだ……」


俺は思わずつぶやいてしまった。


馬をあずけたルウは自慢するように俺に言った。


「風国は風車と庭園が名物なんだ」


庭園は広く、色とりどりの花がたくさん咲いていた。


しかも色使いがうまく、美しく見えた。


「風国っつったら花と風車だからな」


マランが指さしたその先には大きな風車がついた小屋のようなものがあった。


「あの風を利用して機械を動かしたりしているんだ。とくにあの小屋の中にある牛乳からチーズを作り出す機械や、食物の種を作り出す機械とかをね。その作った種やチーズとかは民族に届けに行くんだ。それが私たちの仕事」


ルウがニコニコと笑って俺に説明してくれた。


なるほど……。


それで平民たちと仲良くなれるのか……。


そのとき、王宮から人が二人でてきた。


「おかえりなさいませ!」


「王と王妃がお待ちですよ!」


サクラさんとラカだった。


俺たちはサクラさんとラカに導かれて、王宮の中に入った。


王宮の中はそれほど豪華なものではなかった。


風国の王はお金を自分のために使うのではなく、民のために使うことを選んだのか。


だからなのか、フウやルウから王族という印象が感じられなかったのは。


サラからもそうだった。


……マリオネットの中でみたシェイもそうだった。
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