太陽の竜と闇の青年
「あぁぁぁぁぁ!!!」


その時、ルウが足を止めて叫んだ。


「どうしたのー?」


フウがルウを振り返り、言った。


俺もルウを振り返る。


ルウは真っ青な顔になって言った。


「どうしよ……。私、許嫁みつけてない……。狸親父に怒られちゃう……」


俺の頭の中に許嫁という言葉が反響した。


そういえば、ルウが旅にでたのは蒼国の自分の許嫁をみてくるため。


けれど、ルウはリクを振った。


つまり、許嫁は消えたということになる。


ルウはあたふたと慌て始めた。


「どうしよう……ヤバイよね?ね、フウ、どうしたらいいかな?」


ルウがフウにすがりつくと、フウはチラッと俺をみてニヤリと笑った。


「ルウ、大丈夫だよ。僕にとぉーーってもいい案があるんだー」


その時、一瞬ゾワッとなったのは気のせいだったのだろうか……?


俺たちは龍が堂々と描かれている大きな扉の前にたった。


「あぁ……もうダメだ……。フウはどうにかなるって言ってるけど、どうにもならないよ……。あぁ私は狸親父に怒られるんだ……。それならもう死んでもかまわないよ……」


かなりネガティブになってしまっているルウを笑ってみると、ルウが頬をプクゥと膨らませた。


「笑うなぁー!」


俺は微笑を浮かべてルウの頭を撫でた。


「まぁ怒られたら怒られたで仕方ない。とりあえず今は怒られないように祈っておけ。たぶん、ルウを怒るよりも先に俺が怒られるだろう」


ルウが首を傾げたときマランがポンと手を打った。


「あぁ、なるほどな。ハランは當間と仲が悪かったもんなぁ。その當間の息子になると……。怒りの矛先は壱だろうな」


俺は苦笑いを浮かべて腹を叩いた。


「ま、覚悟はしてるから大丈夫だけどな」


それを聞いたラカがあははと笑った。


「壱様は肝が据わっていますからね」


俺が笑ったとき、扉が開いた。


「入るがよい」


低くよく通る声がした。


俺たちが中に入ると、扉がゆっくりとしまった。


部屋はそれほど広くなく、派手でもなかった。
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