太陽の竜と闇の青年
私が口を開けようとしたとき、サクラとラカの声がした。


「坊ちゃん!姫様!」


「大変です!」


その慌ただしさに本当に緊急事態だと感じて、私は馬から降りた。


「どうしたの?」


サクラは息を整えながらゆっくりと言葉を紡いだ。


「王からの伝言で、今から新国に行ってほしいと命令がありました」


新国……。


私の心臓がドクンッと跳ね上がった。


フウも驚いた顔をしていた。


ラカは少し気むずかしそうな顔をした。


「お気持ちはわかります。王もどうするべきか迷っていました。しかし、決断をなされたのです。これから国を作っていく者同士、一つの壁を壊さなければいけない、と」


一つの壁……ね。


確かに一つの壁かもしれない。


ルイ王子を殺してしまったことは。


狸親父はそれを乗り越えろ、と言っているのだろうか?


私とフウは顔をあわせた。


「……どうする?」


私が聞くと、フウは頭をかいた。


「どうするって言われたって……。そりゃー僕だっていつかは乗り越えないといけないなぁーって思ってたけどさ、今はテルだっているし……。旅は危険だから。だからといって一人にしておくのもなぁー……」


それを聞いた壱が首を傾げた。


「旅は危険じゃないだろ。俺とフウと四神とルウがいる。皆実戦経験がある。敵がそいつを殺すことなんてできるはずがない」


それを聞いたフウは決心したようにうなずいた。


「壱が言うならそうだろうね。わかった。行こう。新国だろ?久しぶりにトオタにも会いたいしねー。テル、一緒に旅しないか?」


テルは少しだけ驚いた顔をしたけど、すぐに笑ってうなずいた。


「フウ君と一緒なら……楽しみです」


フウとテルはすぐに旅の準備を始めた。


二人の準備が終わるまで、私たちはこれからどうするべきなのかを話し合っていた。
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