太陽の竜と闇の青年
「では、さっそくジャリスを探しに行きましょうか」


青竜たちがニコニコ笑いながら私に言った。


実は後から知ったことなんだけど、ジャリスの声が聞こえたのは私とフィンドと白虎だけだった。


壱にも聞こえていなかった。


何故かそのことに不安を感じた。


「どうかしたのか?」


黙りこくっていた私を不思議に思ったのか、壱が私の顔をのぞきこんできた。


私はとっさにニコッと笑ってしまう。


癖だなぁ……。


「ううん。何でもないよ。そうだね。ジャリスを蘇らせに行こうか」


それは、自分を殺すと言っているのと同じことだとわかるのは私自身とフィンドと白虎しかいない。


私にとってそのことはとても寂しいことだった。


「ルウー?聞いてるー?」


フウが私の頬をペチペチと叩いた。


「えっ?あ、ごめん。もう一回言ってくれない?」


フウは小さくため息をついて私に言った。


「だからー僕はもう旅についていけないから、壱たちに迷惑をかけないように頑張るんだよってば。サクラもラカもルウの侍従からはずされたんだから、もう旅の相手は壱と四神たちだけになっちゃったんだからー」


私はにひっと笑った。


「だぁいじょうぶだって!ラカとサクラにはさよならも言ったし、二人共笑っていたんだもん。それに、フウが無事に嫁を見つけれたことにお姉ちゃんは安心でーす」


私がふざけていうと、フウは噴出した。


「ルウは名だけの姉だけどねー。僕のほうがお兄ちゃんだったよー。ま、今日ぐらい、お姉ちゃん面しても許してあげるよー」


私は微笑を浮かべてフウの隣に立って笑っているテルをみた。


ネロは来なかった。


どうせまた会えるからさようならはしたくないと言ったらしい。


もしかしたら、アレが最後なのかもしれないのに……私はその思いを声に出さずにテルに言った。


「じゃ、問題の多い弟だけど人を愛する力は何十倍もあるから一緒に頑張って風国をいい国にしていってね」


テルはニッコリと笑った。


「もちろんです。フウ君とだったら、なんだってできますから」


私は柔らかく笑った。


「ありがとう。それじゃ、そろそろ行きますか!」


壱をみると、壱は微笑を浮かべた。


「あぁ。そうだな」
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