太陽の竜と闇の青年
そのとき、背後で嫌な気配がした。


バッと後ろを振り返ると……なにもいなかった。


壱も眉をひそめて後ろをみていた。


「……何だ?」


私たちは不思議に思いながらも、新国へ足を踏み入れた。


「結構ふつうの国なんですね……。予想とちょっと違います」


テルが新国に入って初めて感想を漏らした。


私とフウは苦笑いを浮かべた。


「まぁ、王が変わって少しは変わったんじゃないかなー。前は城がすっごい派手だったもんねぇー」


フウが城を見上げたのをみて、私も見上げる。


昔の城と違って今の城はだいぶ落ち着いている。


まぁまだ少し派手だとは思うけど……。


私は城へと足を進めた。


しかし、当然の如く、


「おい!貴様ら何者だ!」


引き留められる。


すると、フウが何事もなかったかのように門兵に近づき、門兵の耳元でボソボソと何かをつぶやいた。


その瞬間、門兵の顔は真っ青になり、私たちに深くお辞儀をしてきた。


「も、申し訳ありませんでした!!どうぞお入りください!!」


私たちは真っ青になって謝る門兵と、ニヤニヤしているフウを不思議に眺めながらも、楽々と城の中へと入ることができた。


ハヤトたち馬をあずけて、私たちは城内に入った。


私とフウは何ヶ月かはここにいたから、城の中の道順も覚えている。


だから、さっさと前に進んでいたけど、テルと壱は興味深そうに辺りを見回していた。


そして……


「ココだったよね」


「うん。ココだったよ。僕の記憶が正しければね」


私たちは鳥が大きく描かれている扉の前にたった。


この中にトオタがいる。


そう考えるとワクワクもしたし、すごくドキドキもした。


あんな別れ方をしてしまったけど、トオタは怒っていないかな……?


私たちはゆっくりと扉を開けた。


重い扉を開けた瞬間、目が眩んだ。
< 564 / 824 >

この作品をシェア

pagetop