太陽の竜と闇の青年
「ふふふ……。壱、ルウちゃん以外の皆は?」


俺とルウは顔を見合わせた。


そういえば牙城には言ってなかった。


っていうかコレをいいに来たんだった。


俺は寝台から降りて、座っている牙城の前に座った。


ルウを手招きして、自分の隣に座らせた。


ルウから太陽の匂いがした。


「大体は予想出来ているだろうけど、俺とルウは許嫁になった」


牙城は指をパチンッ!とならした。


「やっぱりね!僕はそうなると思っていたよ。それにしても、ルウと壱かぁ……。とってもいい組み合わせだね!美男美女で!」


ルウは照れくさいのか、頬をポリポリとかいた。


「ルウ側には許可はとった。後は牙城、お前の許可だけだ」


俺が牙城をまっすぐみると、牙城はニッコリと笑ってうなずいた。


「僕が拒否するとでも思ったの?そんなことするわけないじゃんか。許可するに決まってるよ!!おめでとう!二人とも」


牙城はパチパチと手を叩いた。


それから、ルウの手をとってブンブン振り回した。


「ルウちゃんが壱のお嫁さんなら僕も安心だなぁ!それにしても、壱がお嫁さんをもらうとはねぇ……。僕はずっと独身を貫いていくんだと思ってたよ」


俺は牙城の言葉に曖昧に笑った。


否定は確かにできない。


もしルウがいなかったら俺は独身でいただろう。


暗殺者から足も洗わずに。


「それで、もう一つの相談が……」


俺が牙城にいうと、牙城はニコッと笑った。


「もう分かっているよ。王位継承権だろ?僕はこういうことがあるだろうと思って、実は王位継承権を貰っていないんだ。父に壱にあげたままにしておいてくれって頼んでいたんだ」


俺は驚いて牙城を凝視した。


俺の知っている牙城は弱くて、毎日泣いてる牙城だ。


だけど、今の牙城は俺よりも頭脳が上な気がする。


「だから和国の第一王子は壱のままだ。僕は第二王子」


俺は牙城に手をのばした。


俺ののばした手を牙城が握る。


「まさか壱と握手できるときがくるとはね」


牙城はそう言って笑った。


俺も苦笑いを浮かべる。


「ありがとう。牙城」


牙城はうなずくと、俺から手を離した。


「さてっと。壱が美人で優しくて可愛いお嫁さんを貰ったことだし、僕も見つけに行こうかなぁー♪」


そういって牙城は腰の骨をバキバキいわせると、俺とルウにウィンクした。


「これで邪魔者はお邪魔するよ☆奈落にでも行くっかな」


牙城はスキップしながら部屋からでていった。


そんなにいいことだったのか?


俺とルウの結婚って……。


「お邪魔って……そんなことないのに……。ねぇ?壱?」


ルウが少し困った顔をして俺に言ってきた。


俺のSっ気が高調する。


こういう顔の時はイジメたくなる。
< 595 / 824 >

この作品をシェア

pagetop