太陽の竜と闇の青年
☆有言☆


「多分、今日師匠来るんじゃないの?」


河屡が私をチラッとみて声を発した。


私は河屡の顔をみる。


河屡は顔をしかめた。


「だってよ、昨日のことがあって壱師匠が黙っていると思う?河屡は思わないね」


私は河屡の真っ当な意見に肯定するわけでもなく、だからといって否定するわけでもなく黙って黙祷を再開した。


私の反応を予想していたのか、河屡も黙った。


次に気になったのはファーナスの黙りだ。


いつもはよく喋って私と河屡の間では黙ったら死ぬ男といわれているほどだ。


「……ファーナスは何だ?」


私がため息混じりにそう聞くと、ファーナスは目を輝かせた。


「やっと気づいてくれた!?おいらが迷っていること!」


私と河屡は少し面倒くさそうにしてファーナスをみた。


そんな目に気づかないかのようにファーナスは右手の人差し指をたてた。


「おいら、ずっとあの女の子の言葉がひっかかっているんだ。あれじゃぁまるで遺言を聞くようなもんだったよ。実際、女の子はあと少しで死ぬって感じで言っていたし。えっとなんだっけ?[時間がない]だっけ?」


私が軽くうなずいてみせると、ファーナスは顎に手をやった。


「何であの女の子は自分が死ぬっていうことがわかったんだろうね」


ファーナスが私たちに質問をしてきた。


私は軽く無視をした。


大切なこと以外は無視をすると決めているからだ。


こんな性格のためか、私と一緒に暗殺者をする人はファーナスと河屡しかいなくなった。


二人は私の性格をよく知り、よくわかってくれていた。


だから私はこの二人と暗殺者と組むことに決めた。


事実、この二人は暗殺者としての資格は充分あった。


だけど……。


やはり、壱とのコンビが一番やりやすかった気がする。


自由気ままにやれたし、相手のことを気遣わなくてもよかった。


壱と一緒に暗殺をするときは、こころおきなくできた。
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