愛いっぱいCHU
この場所で育んでいったこの想いを再確認するためにここへきた。
『私は先生のことを愛している』
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私が校舎の外へでるとさっきからだいぶ時間がたっているのにまだ生徒が大勢残っていた。
みんな思い出がつまりすぎて離れがたいのかいろんな場所で写真を撮っている。
向こうの木陰では男の子と女の子がうつむいたままモジモジしていた。
きっと告白とか・・なのかな・・。
「あすか先輩ーーー!!」
後ろの方から私を呼ぶ声がした。
「優ちゃんっ!純平くんもっ」
優ちゃんと純平くんとは3学期になると忙しくて顔もロクに合わせることがなかった。
「先輩!卒業おめでとうございます!!」
優ちゃんが元気よく笑顔で言ってくれた。
「ありがとね」
私も負けないくらいの笑顔で返した。
ふと目線を下に移すと二人の手が繋がっていた。
「へぇーーー、二人とも、仲がいいんだね!」
私は少しニヤついた顔で指摘した。
「ちっ、違うよっ、コイツが勝手にっ!!」
純平くんはあわてて繋いでいた手を振りほどいて弁解を始めた。
純平くんが一人あたふたとしている隙に優ちゃんが私の耳元でこっそり囁いた。
「先輩・・・、私、幸せです」
優ちゃんの顔は本当に幸せそうで、私までもが幸せな気分になれた。