誘惑のクラン(血族)
「あ……ごめんなさい」


璃子は飲みすぎてしまい、だから記憶がはっきりしないのだと考えた。


「いいんだよ。私達は恋人同士なのだから。遠慮はいらないんだ」


「私達は恋人同士……」


なんとなく解せない言葉……。


優真は考え込むように微かに俯く璃子の頬に両手をそえた。


「おはようのキスをしてくれないのかい?」


璃子が考える隙も与えずに、優真は璃子の唇を求めた。


ちゅっと音をたてて離れる互いの唇。


グレーの瞳が柔らかく笑い、璃子は途端に恥ずかしくなった。


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