きすはぐあまこい

「…あんた、お姉ちゃんに何か変なチップ入れられた…?」

わたしが疑いの眼でヤツを見ると、国原は『んなワケねぇだろ!』とわたしの頭を本気で叩いてきた。



「…まぁ、ちゃんと出来たら"ご褒美"くれるって絢さんが言うから―…じゃなくて!

…俺は絢さんに沢木がどんなヤツか、瑞奈が全然アタック出来てないコトとか絢さんに話したんだよ。そしたら、絢さんが何かやる気になっちゃって、沢木とお前をくっつけようという計画を練ったんだ!絢さん直々だぞ!?有難てぇだろ!」

「いや、どこが有難い!?てか、余計な情報漏らしてややこしい計画立てないでくれるかなあ!?」

にこにこするわたしの額には怒りマークが浮かんでいる。




すると、国原はいきなり指を1本立ててわたしの目の前に持ってきた。

それがちょうど鼻の前だったから、わたしは寄り目になってしまった。



「…お前は本当にこのままでいいのか?」

「は?」


「お前はこのまま―…沢木への想いを隠したままでいいのか?…後悔しないんだな?」



国原の瞳には真剣の色が伺えた。
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