きすはぐあまこい
さらに国原はこんなに大荷物を持ってどこにそんな力が余ってるんだっていうくらいの力で、わたしの腕を掴んで引っ張った。
よろけそうになりながらも必死に体制を整えて、国原に連れられるがままになる。
「ちょっと国原っ」
「……」
国原のクセに無視して、しかもこんなに力の差を見せつけられて―…。
「国原のばかやろ―…んっ」
「静かにしろ。バカ」
口を塞がれるとともに、今日何度目かの『バカ』がわたしに浴びせられた。
「むぐむぐむぐっ……ふはっ」
酸欠になる手前、やっと国原は当てていた手を離した。
ほ、ほんとに殺す気ですか…!
必死に酸素を体に取り込んでやっと体を起こすと、プレートが目に入った。
そこには、美術室の文字。