未来からのおくりもの(仮)
「おい。 逃げるなんて考えるなよ?」
低い声でたしなめる声にあたしは首を横に振った。
「そうじゃなくて…」
床を見て、壁を見て、天井を見て。
廊下ってこんなに綺麗だったかと考える。
掃除が行き届いてるとかそんな事じゃない。廊下自体が綺麗で新しい気がする。
それに、
「ねぇ、あれ…桜の木?」
窓に近付いたあたしは校庭の奥に立つ木を指さした。
「ぁあ? なんだよ急に…」
由良があたしの隣に立って窓の外に目を向ける。 少し屈んであたしの指の先を確認してから態勢を元に戻して「はぁ」と息を吐いた。
「じゃね? つか、まだ咲いてんじゃん。散りかけてっけど」
そう、葉桜になりかけた桜の木。
今朝も教室から見たんだ、あの木を。
だけど、あの木、
あんなに低かったっけ…?
気のせい?