sleepy princess and arouse prince
そして彼女たちが部屋から出ると、カイトは俺に近付いてき、襟元をぐっと掴んだ。
正直、無表情でかなり恐ろしかった。

「もう少しであの医者たちにバレてしまうところでしたよ、魔導師と。」

「…ごめん。」

「次は大変なことになる。…少し出掛けますね。」

そう言って黒いコートを着飾り、部屋から出て行った。
当たり前だ、怒らしたの俺だし。
別に魔導師なんてみんな知っていると思っていたんだから仕方ないだろうに。
俺はベッドの上で体育座りしながら、心の中で言い訳をし続けた。

コンコン、カイトが出ていって数分も経たない内にノックが響いた。
ベッドから下り、ドアを開いた。

「手紙‥?」

扉の前には一通の手紙が置いてあった。
その宛先は‥エルビスだ。
訳わかんない行動だな、オイ。
とっても突っ込みたいところだが、慌てて手紙を開いた。

「白梅を持って噴水のところで来い。」

と、ただそれだけ書いてあった。
今からリンチしますよ。って言っているみたいだ。
まぁ、彼のことだ、俺は日が上がりそうな中、白梅を握って街へ出た。

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