好きだと言えなくて

春乃たちを少し離れた場所から見ていると、男が春乃を抱きしめて何かを話しているけど、よく聞き取れない。

「春乃ちゃん・・・好きだよ・・・」

男のそんな声が聞こえて、春乃も何かを言う。

何言ってるんだ・・・春乃・・・春乃はそいつのこと好きなのか?

春乃が話す言葉が聞き取れなくて、イライラする俺。

「・・・・・・あいつ・・・忘れさせて・・・」

そんな男の声が聞こえて、首を横に振りながら何かを言った春乃。
その春乃の目からは涙が流れていた。
そして男は嫌がる春乃の頬を力任せに掴んで、そのまま春乃にキスをした。

春乃・・・
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