好きだと言えなくて

その時、2階から物音が聞こえてきた。

「あら・・・俊介起きたのかな・・・ちょっと様子見てくるから待ってて!」

そう言って彼女は2階へと上がって行った。

どうしよう・・・俊ちゃんが来たらどうしよう・・・
俊ちゃん、困るよね・・・
それに・・・あたし・・・無理だよ・・・

あたしのせいで熱が出て寝込んでいる俊ちゃんが心配だったけど、俊ちゃんと彼女が一緒にいるところを見る勇気なんてなかったあたしは、彼女がいない間に、
黙って家を出たんだ。

俊ちゃん・・・ごめんなさい・・・
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