好きだと言えなくて
どれぐらいの時間眠っていたのか・・・
ふと目が覚めると、春乃が俺に手を握られたまま、ベッドの端に顔を埋めて泣いていた。
春乃・・・ごめんな・・・おれのせいだよな・・・
俺は、春乃と繋いでいた手を離し、その手で春乃の頭を撫でた。
「春乃・・・泣くなよ・・・」
そう声を描けると、起こしてごめんと謝る春乃。
「いや・・・もうかなりマシになってきたから。それより春乃、泣くなよ・・・」
そう言って春乃を見つめると、また涙を流す春乃。
「ごめんね・・・あたしのせいだよね・・・あたしが傘借りちゃったから・・・熱があるのに、探させちゃったから・・・だから・・・こんなだからあたし・・・俊ちゃんに振られちゃうんだよね・・・俊ちゃんに好きになってもらえないんだよね・・・ごめんね・・・俊ちゃん・・・」
春乃・・・違うんだ・・・違うんだよ・・・
俺、ずっと春乃のことが好きなんだよ・・・