正しい殺人事件
「おい、幼なじみ。黙るな。こっちには伝わらないんだからな」
小石を蹴りながら帰る奈々。
『ごめんね、何の話しだっけ?』
「なんで、幼なじみは少年が先輩を好きだと思ったんだ?」
『え?』
「好きだと、断定したのは何だ?」
『断定なんて、してないよ。僕はカマをかけただけ。靴の汚れから中庭に行ったのかなって、奈々ちゃんが隠したのを見た紙切れ、付けようとしたんじゃない?ま、手に持ってたから失敗したのかもね。もしくは予備に何枚か持って行ったか。一方的に先輩のことを知ってたのが一番大きいかな。あの先輩、A・Bの反応を見る限りは、別に有名人でもなさそうだし』