檸檬の変革
ホテルに着く頃にはマリアと運転手はかなり親しくなったらしい。
僕がサッサと車を降りて荷物をベルボーイに指示していると、マリアは運転席に回り何か話して、小さな紙切れを渡していた。


運転手は自分の胸を軽く叩きマリアに笑いかけ片手を窓から出して親指を立てて、車を発進させた。


チェックインを済ませマリアは自分の部屋に荷物を置いて僕の部屋に来てコレからの予定を組んだ。

マリアは煙草を美味しそうに吸いながら部屋の窓を開けにバタバタ歩きながら世間話をする様に言った。
『街の中に夏樹の捜している女の人がタクシーを利用したら私に連絡が入るから、都市部は後回しにしよう』

『いつの間にそんな事したの?』

僕はポカーンとしたら、マリアは煙草の煙を吐きながらサラリと言った。

『さっきのタクシーのオッサンに頼んだの。』


僕はマリアをちょっとだけ見直した。


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