檸檬の変革
初めて来た場所なのに僕は慣れた感じで草をかき分け森を抜けた。

太陽は海の地平線に沈みかけていて、海が紅く染まっていた。


砂浜に1人の女性がそれを眺めていた。

僕は暫くその女性を眺めていた。

心の中に懐かしさと愛おしさみたいな感情が湧き上がると同時にやっと会えた喜びが込み上げてきた。


『七海。』


僕は夢魔では無く彼女の本名を口にした。


呼ばれた女性が振り返った。

夕陽に照らされた七海の顔を見た。



美しい。
完璧に整った顔。美しいラインの手足。
人間じゃないみたいな七海。


『誰?』


声まで人間放れしている美しい響き。



僕はその場に立ったまま泣いた。

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