檸檬の変革
『呪術師が言った通り、彼はもう一度ここに戻って来た。夏樹君の力を借りて。私はもうそれだけで充分。』


『僕。今回の旅で初めて生きてる実感が持てた。それまでの僕は無気力で、死んだようだった。只息をして、人形の様だった。命を吹き込んでくれたのは、狩屋さんのお陰だったし、貴女に会いたい気持ちが僕に生きる実感をくれた。』


『ありがとう。』

僕は全ての感情を込めて感謝の言葉を夢魔に向けた。


夢魔は嬉しそうに笑った。
とても、とても人間らしい笑顔だった。






それから僕は夢魔と色々な話をした。
マリアの寝息と海の波音は止むことは無かった。
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