檸檬の変革
マリアは笑い返して言った。
『あたしも彼女に会えて良かった!凄く素敵な人で、楽しかった。』

少し間が空いてマリアは言葉を続けた。

『あたし、本当はこの旅行はじめは断ったの。だって、ドナーの家族と移植された人が会うのは、私は医師としても、個人的にも反対だったから。その考えはあたしはコレからも変わらないと思う。でも、今回はこれで良かったと思ったのは認めるわ。夏樹は日本に帰ったらどうするの?』


『正直まだ考えてない。夢魔に会う事だけを考えていたから。』


マリアはポツリと言った。
『夏樹は運命を信じる?』

僕はマリアを見ながら言った。
『マリアはその質問ばかりするね。なんでそんなに拘るの?』




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