檸檬の変革
2人は特急の自由席の切符を買い列車に乗り込んだ。
行き先は東京の隣千葉県の内房の海沿いの駅。
東京近郊でも外房より海が綺麗な場所だった。



2人は発車するまで座って待った。


平日で海のシーズンにはまだ早い時期なので乗客はあまり乗っておらずガラガラだった。


美夏は頭を座席から少し出して他の乗客を見渡した。


駅弁を買い食べ始めているサラリーマン。

本を読み始めたOL。

ペチャクチャお喋りしているおばちゃんたち。

最後に隣の美空を見ると
前の座席をこちらに向けて靴を脱ぎ捨て足を延ばしてイヤホンで音楽を聴き始めていた。


美夏は靴を脱いで足を曲げて座り窓際に肘をついて発車前の黒い壁を眺めるようにしながら窓に映った美空を見た。

美空は目を閉じていた。

綺麗な顔立ち、海外の有名な女優に似てる。


美夏は窓に映った美空の顔を列車が動くまで眺めていた。
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