檸檬の変革
美夏は美空と歩くのを自慢していた。
美空はそれ位幼い頃から美しかった。

しかし、みんな声はかけず遠巻きに見ていただけだった。
美夏は美空よりは美しくは無いけれど、可愛い女の子だった。
人懐こい顔で美空だけでは無く他にも大勢友達はいた。

美空の祖父がアメリカ人なのも美夏は憧れていた。
外国映画に出てきそうな品の良いおじいさん。
綺麗なブルーアイ。

青い海の様なブルーアイ。

異国の歌を聴くのも楽しかった。


でも、何故美空が天の川に拘ったのか実はあまりよく知らなかった。

美夏にとって天の川は織り姫と彦星の話に出て来る昔話しか知らなかったから。


美空が祖父を亡くしてから家に寄り付かず自分の家に居たがった。

美夏の家はごくごく平凡な家庭。

美夏の下に最近話もしなくなった中3の弟、両親の4人家族。


母親はおおらかで美空を何時も温かく迎えてくれた。
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