c-wolf
「この俺を足蹴にするとは……、貴様、生意気だな」


伽羅はごほごほ、とせき込みながらもc-wolfを見上げた。


これが……、これがPOLの間でこっそりと殺人鬼とも呼ばれるc-wolf。


極悪非道人をおもちゃのように壊してしまう”もの”。


「お前は……人、じゃない」


c-wolfがニンマリと笑った。


その目は狼のように鋭く、真っ赤で、本物の狼のボスを目の前にしているようだった。


その口から見える鋭い八重歯。


その八重歯で何人の肉を喰いちぎってきたのか、恐ろしい考えをしてしまった伽羅は首を横に振った。


c-wolfは歯ではなく、剣で人を刻んでいたんだ……。


「あぁ、人ではないよ。だって俺はPOLでいう”殺人鬼”なんだろ?」


伽羅はバッとc-wolfから飛び退いた。


……殺されるかと思った……。


ただの一般人がこんな奴を目の前にしたら、それだけで気絶して倒れてしまうのではないだろうか……。


いや、それよりも……


「何故POLだけでのお前のあだ名をお前が知っているの?」


ハッとc-wolfが鼻で笑った。


「あんた、俺を誰だと思ってる?俺はc-wolf。百獣の王ライオンより目も鼻も耳も優れているっていわれてる狼だ。ちなみに血統書付き。なーんてね」


クスクスと笑ったc-wolfはさっきとまったく性格違う人のようにみえた。


まるで、この場面をとてもとても楽しんでいるようで、それが逆に恐ろしかった。


「さて、どぅする?俺は、今すぐにでもお前を殺すことができーる。だけど、君はまだ死にたくなぃらしぃ。ほんっと、困ったなぁ……」


POLはワガママな人ばっかりだぁ、とc-wolfは自分の前髪をちょこちょことイジリながら言った。


その様子に伽羅は眉をしかめた。


本当にさっきとはまるで別人だ。


性格も、話し方も、なにもかもが違っている。


その時、c-wolfの顔が一変して、つまらなさそうな顔になった。


拗ねた子供のような、そんな感じ。
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