c-wolf
「……だってよ、珠羅」


「……兄さんはあの人に心を許したはずなんです」


「伽羅が俺らを憎んでいたことは薄々気がついていた。俺も、威濡も。それでも優しく接してくれる伽羅に甘えていたようだな」


「……最近は何が現実で、何が虚像なのか分からなくなっってきました。現実が虚像なのかも、虚像が現実なのかも、そう思うんです」


「現実離れしている狼が一匹、俺らの縄張りに乱入してきたからな」


「百獣の王であるライオンは勝たなくてはいけないのです。人々を安心にさせるためにも」


「殺しをしてまでも、な」


「……………………」
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