c-wolf
「ここが……アジト」

「あ?アジトって何だよ。ここは俺たちの家だよ」

伝達役のユットが不機嫌そうに言った。

僕は、その様子を横目にみて、隣に立っていた亮につぶやいた。

「皆、伽羅さんを気に入ってないね」

亮はゲームをしながらこそこそと言った。

「あったり前だ。もしかしたらスパイになるかもしれないし、ゼルトに危害を加えるからここに来たのかもしれない。それに……この中じゃ、一番最年長だから皆どんな接しかたをしたらいいのか分からないんだよ」

なるほど……。

確かに僕もそうだ。

僕も、自分より年上の人、しかも10歳差の人は殺したことしかない。

皆が動揺し、混乱しているのもわかる。

「っていうか、この人を連れてきたヴォレフはどこにいったのぉ~??」

花が困惑した顔で辺りを見回している。

すると、亮がゲームから顔をあげた。

「ゼルトならヤクサんとこだよ。っていうか、ヤクサがゼルト連れてった。親子みたいで可愛かったなぁ」

その言葉に桜の足蹴りが亮の脇腹に命中した。

「いって!!」

亮は危うくゲームを落としそうになって慌てて姿勢を正した。

「あっぶねぇなぁ!何すんだよ!」

「ゲームばっかりしてないでヤクサからヴォレフを取り返してきてよ~!」

「バッカ言うなよ!ヤクサだってお前たちよりもゼルトに会えないで泣いてんだぞ!それを分かってやれよ」

「無理!だってヤクサは……」

「それ以上言ったらCが怒るよ」

僕が間に割って入ると、桜が黙り込んだ。

「今日ぐらい、いいじゃんか。ヤクサだって、僕たちみたいにCが好きなんだから」

桜はそれでも不満そうにしていたけど、渋々ながら家の中に入っていった。

そして、その時ようやくずっとこちらをみていたであろう視線に気がついた。

そちらを向くと、伽羅さんがコチラをずっとみていた。

亮もそれに気がついたのか、伽羅さんに小さく笑った。

「どうした?入ったらいいよ。君なら歓迎だよ。ゼルトが選んだ人だからね」

伽羅さんがそれでも中に入ろうとしないから、僕たちが先に入ろうとしたとき、伽羅さんがようやく足を進めた。

そして、階段の下からこちらを見上げて、言った。

「君たちは、何で人を殺すc-wolfを好いているの?」

その言葉に、亮がゲーム機の電源を切った。

「その名前、禁止だよ」
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