c-wolf
優しく微笑む顔はとても綺麗で、男なのに見ほれてしまった。

そんな人が……。

「な……にを……」

「お前は…………死んでは…………ダメ、だ」

「お前こそダメだ!俺は別にいいんだ!俺はいらない奴だから……!!!」

「バッカ言うな!!こんの餓鬼が!」

一呼吸おいて、ゆっくりとした口調で、優しい声色が耳に残るように響いた。

「……お前は…………世界を……か、えろ……。お前なら……、変えれる……はずだ」

そして……。

「アイツを……、この……世界から……、解放さ、せて、くれ……」

ゆっくりと倒れていく真っ赤な体。

それを支えようと伸ばした腕は、届かなくて……。

初めての”死 ”を呆然と見つめていた。

そして、頭の中に蘇る、悲しい目をした、零の顔。

上から見下ろしているのに、後ろの月光が零を輝かせていた。

その形のいい唇がゆっくりと開かれる。

「お前に罪などないさ。化け物にも罪などはない。互いにただ、その生を遂行していただけだ。誰にも罪などないんだ」

お前は…………、c-wolfなんて名前じゃない。

c-wolfの名は、消えたほうがいいんだ。

c-wolf、お前の本当の名はいったい何だ?
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