c-wolf
Cがいない家は、とても物静かだった。

皆、本を読んだり、テレビを観たり、ゲームをしたり、外に出かけて行ったりした。

もちろん僕は亮のゲームを隣でみていたけど、いつもと何かが違う。

その何かは、たぶん、ヤクサだと思う。

ヤクサが声を出せるようになっていたのには驚きだった。

ヤクサから聞いた話だと、Cが声を取り戻してくれたのだという。

何かの術を使ったのか、声を取り戻す方法など、僕は全く知らない。

そもそも、そんな治療法あったらスゴすぎる。

Cがどうやってヤクサの声を取り戻したのかは分からずじまいだったけど、幸せそうなヤクサの顔をみたら、そんなこと、どうでもよくなった。

そして、ヤクサはCと亮にベッタリになってしまった。

まぁ、亮がヤクサの世話を一番していたし、Cはヤクサを拾ってきた張本人だったからなぁ……。

そう思ってたとき、ふいに伽羅がいないことに気がついた。

花と桜と一緒に出かけたのかな?って思ったけど、それは違う、とすぐに気づいた。

花と桜は、伽羅とまだ仲良くない。

滅多に話しもしないのに。

伽羅と話すのは、まだ僕と亮と、Cぐらいしかいない。

ふいに嫌な予感がして立ち上がった。

亮が驚いた目でこちらを見上げていて

「どうした?」

って聞いてくれた。

だけど、僕は亮の言葉を無視して、リビングから出ていった。

「おい、フィーリア!」

そう叫ぶ亮の声を無視して。
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