ふわふわのシフォンケーキ
「べ、別にゆうたが無理矢理しただけだっ」

美幸様は否定するものの、可愛いと言われて嬉しいのか、表情が普段以上に良い。

「ほらほら、千春。そんなに髪触って遊んでると美幸が怒るぞ。」

兄の琉夏さんに注意をされ、「はーい」と返事をし、席に座る。

「でも怒るのは美幸より悠かもな。」

ニヤッと笑う春樹さんに「なんでー?」と問いかける千春と美幸様。

「秘密ーっ。」

そうピリオドを打つ彼に、

「えーっ」

と千春さん。

「ま、別に興味ないしいいや」

と美幸様。


「お腹すいた・・・・・・。いただきまーす」


美幸様はぱくっとフォークでアップルパイを小さなお口に運ぶ。

「ん・・・・・・これゆうたのアップルパイじゃない。」

< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop