“愛してる”の、その先に。
村井が私の両肩を掴んだ。
「誰かに甘えて、拒まれるのが怖いんですか?
心を許して、裏切られるのが怖いんですか?
好きで好きで離れられなくなって、それでもいつか別れなくちゃいけない時が来るのが嫌なんですか?
…そんなの、誰だって平気なわけありません。
それでも人は、誰かを必要として、必要とされるからこそ…
だからこそ、生きていけるんじゃないんですか」
「………村井……」
村井はまた、私の身体を抱き寄せた。
ぎゅっと力強く、私の身体を包み込む。
「…少なくとも、俺には早川さんが必要です。
早川さんの、そばにいたいんです」
「え…?」
それってどういう……
聞き返そうとしたその時だった。
村井は身体を離すと、顔を引き寄せ唇を重ねた。
「んっ…」
村井が、私の唇をふさぐ。
熱を帯びた舌が、口いっぱいに絡まってくる。
「んぅっ…あっ…はぁっ…」
頭の芯がしびれる。
そんな、荒く激しいキス。
「…俺もひとつ、白状して良いですか」
「……え?……」
朦朧とした意識を、必死になって保とうとした。
だけど身体に力が入らない。
村井の腕が、私の身体を支えてくれていた。